ペットにお金をかけられますか

とても考えさせられる出来事がありました。

ある、犬を飼っているという方のお話です。
その方の犬は、ある悪性の病気にかかっているそうなのです。
身体も不自由になってしまい、痛いのでしょうか、片足はもう地面に着くことができず、
持ち上げるようにして歩いているそうなのです。

「そうなんですか…それは可哀相ですね。治るといいんですが…。

この私の言葉に、その飼い主さんはきょとんとしたような、意外な表情を浮かべました。
(あ、もう治る見込みがないのかな…。)
飼い主さんの表情から、私はそう察知しました。
「治るのは難しそうなのですか?」
と訊くと、こんな答えが返ってきました。

「いえね、人に聞いたら犬のその病気は治らないって。それに高い治療費もかかるでしょう?
ペットの保険があるから入っておいた方がいいよとは言われていたんだけど、まぁ、ね。」

すなわちこの方は、ペット保険には入っていなかったのです。
そして、その飼い犬がかかっている病気についても諦めてしまっているようでした。

その病気は現代であれば、高度な医療を受ければ治すことも可能な病気です。
その飼い犬はもしかしたらもう末期で治る見込みはないのかも知れませんが、痛みの緩和などしてあげられるケアはまだあります。

そいういうこともあり、私は「治るといいんですが」と、獣医療にかかっているのが当然のこととして話してしまいました。
昨今は飼い主さんの意識も高まり、きちんとしたしつけと正しい食事、高度な医療を求める飼い主さんが増えてきました。
そのような中で私もつい無意識に、治療を受けているのが当たり前と思ってしまっていたのです。

この飼い主さんのように、飼っている動物が病気でも獣医療にかからない理由はいくつかあります。

経済的理由
治療を受けさせてあげたいが、お金がない。
知識がない
その病気はもうどうしようもないのだと思い込んでいる。または、一体どうしたら良いのか分からない、など。
価値の問題
動物にそこまでお金や手間をかけるという発想がない、またはそこまでしてやる必要はないと思っている。

などが考えられると思います。
このどれが欠けても、動物にお金をかけられない、という結果が訪れます。

この飼い主さんのようなケースはまだまだたくさんあるのだということを、
不覚にも私はすっかり意識から抜けてしまっていたことに気付きました。
近頃、蓮の治療で高度な医療機関を巡ったり、意識の高い飼い主さんと触れ合う機会が多かったことが影響していると思います。

しかし私が働きかけていくべきは、上記のような飼い主さんや、その「ペット」なのだと思います。
飼っている動物にどれだけお金をかけることができるか、これは実に難しく複雑な問題です。
これらの問題については引き続き、提言をしていきたいと思います。

 

 

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