蓮、3歳の誕生日に

今日、2013年6月19日は蓮の3歳の誕生日です。
この節目に、今までの事を振り返ってみたいと思います。

蓮と出会う前、私は自分がまさか動物関係の仕事に就くとは思ってもみませんでした。
大学受験の際も、医療系、特に医学部や歯学部を受験する学生は、
薬学部や獣医学部もあちこち併願することが多いものです。
(まったく仕事の内容は違うので考え物ですが…。)
しかし私は獣医学部は1校しか受験しなかったほど、動物のことは頭にありませんでした。
動物は大好きですが、あくまでごく一般的の飼い主としての「好き」であり、
仕事にするという発想は全く無かったのです。

これまで様々な犬や鳥、動物と暮らしてきて、
それでも動物関連の仕事に就こうという発想が起きなかった私を動かしたのが、蓮でした。

それまで飼ってきた犬も普通にしつけをし、日常生活上で困ることも何も無かったのですが、蓮は違いました。
噛む、落ち着かない、いつまでも従順さを示さない、拾い食い、誤食、食糞、他の犬に吠える…
今までの犬で困ることのなかった、ありとあらゆることで私を悩ませました。
とにかくそれまでのしつけ方法では効果がなく、 このままではとんだ問題犬になってしまうと焦った私は、
ありとあらゆる本や映像資料、講習会などを利用し、しつけを一から勉強し直しました。

それによると、現在では飼い主さんの意識も随分高くなり、
以前では行わなかったようなトレーニング…たとえば「脚側行進」や「クレートの中で過ごす」などが
一般的なしつけの一環として行われているということを知りました。

大変です。
蓮の問題も修正し、「オスワリ」や「オイデ」だけではない、
もっとたくさんの事を教えなければならないのです。

それからは文字通り血眼になって、自分での勉強と蓮のしつけに明け暮れました。
仕事の前に時間を作って散歩とトレーニング、
蓮の安全を確保でき、退屈せずにお留守番できるような環境を作ってから出勤、
クタクタになって帰って来てから、蓮が汚した犬用ベッドやサークルの掃除と洗濯、
そしてまた散歩とトレーニング… 毎日のことも本当に大変でした。
疲れていて体ももう動かない、心のエネルギーも枯れ果てそう。

「犬を飼うってこんなに大変だったかな!?」

久しぶりに子犬を育ててみて、改めて犬を飼う大変さを知りました。
他に頼れる人もなく、時には不安で押しつぶされそうになったり、
育児ノイローゼならぬ、育犬ノイローゼになるんじゃないかと思うほどでした。
「飼うと決めたからには、必ずきちんとした犬に育て上げてみせる。そうしなければならない」
という責任感だけが私の原動力でした。
そして… 幼くして親犬から引き離され、誰だか分からない人間の元にやって来た この小さな命は、私を頼るしかないのだと。
関わったからには、この子を幸せにする義務がある。 その思いで動いてきました。

やがて、

「あれ…毎日がそんなに大変じゃない」

と気付いた時がありました。
物凄く大変でしたが、数々のトレーニングを重ねてきたおかげで
蓮との暮らしがとても楽になっていたのです。
日常生活のしつけ、マナーを身に着けたからだけでなく、
トレーニングを通じて意思の疎通ができるようになっていたからでした。
教えていないような事柄でも、蓮が私の意思をよく汲み取って私の望むような行動を取ってくれたり
蓮が自分でよく考えて、自分の意思を私に伝えようとしてくれたりするのです。
それはまるで、人と暮らしているのと変わらない感覚でした。

蓮との暮らしが快適で楽しくなってくると、周りのことにも色々気付くようになってきました。
その一つは、犬と散歩している他の飼い主さんの中には、とてもつまらなそうに、
義務感だけで歩いているかのような人が少なくないことでした。

私は蓮との散歩が面倒くさいとか苦痛だと思ったことはありません。
なぜならば、蓮とは同じものを見て、感じて、時々指示を出し、蓮はそれに従い、
すなわち語り合いながら歩けるからです。 散歩に行くたびに絆が深まっていくのを感じます。

また、犬が言うことを聞かない、問題行動があるという理由で犬への愛情を失い、
果ては犬を手放してしまう飼い主さんの話も多く聞きました。
これらは本当に悲しく残念なことです。 犬も不幸だし、人も不幸です。

犬のしつけを正しく行い、意思疎通ができれば 犬との暮らしはとても楽しく快適なものになります。
このことを、つまらなそうに散歩をしている飼い主さんや、犬への愛情を失いつつある飼い主さんに伝えたい。
そして、そのような犬と飼い主さんを減らしたい。そうなることを食い止めたい。
その一方で、犬のしつけや生活の問題など、犬との暮らしの苦労も痛いほどよく分かるので
そうした飼い主さんの心理面もサポートしていけたら…

ちょうど私は、歯科臨床、教育、カウンセリングという分野に携わり
今後どのように生きていくかを模索している時期でした。
せっかく様々な経験を積んできたのだから、どれか一つの分野に絞り込んでしまうのではなく
培ってきた全てを活かせるような仕事がしたい。
でも、歯科医療、教育、カウンセリングはそれぞれ独立した分野です。接点はあるけれど少ない。

何かがぐるぐると回り始めた瞬間でした。

医療の分野は動物の健康について。
教育の分野は、ドッグトレーニングや飼い主さんへの伝え方について。
カウンセリングや心理学の分野は、飼い主さんと動物の心理面からのサポートに行かせますし、
学習心理学や行動療法など心理学の知識はドッグトレーニングに大変重要です。
今まで私が力を入れて生きた「惨事ストレス」やトラウマ、PTSD、危機介入の分野は
ペットロスやターミナル期のカウンセリングにつながります。

生き方に悩んでいた私を、犬との暮らしに悩んでいる飼い主さんを、
愛する動物を亡くして悲しみに暮れている飼い主さんを、蓮がつないでくれたのでした。
蓮との出会いは、今思い起こしても運命的だったとしか言いようがありません。
不思議な糸に引かれての出会いでした。
それはまさに、私の人生に運命づけられた犬だったからだと思うのです。

私がドッグトレーナーになったことにより、 蓮にも数奇な運命を背負わせてしまいました。
でも蓮は私の期待を上回る活躍を見せてくれ、私のパートナードッグとして頑張ってくれています。
時にはお客様への見本となってもらうため、トレーナーの犬としてのトレーニングを入れなければなりませんでしたが
私も蓮ももう辛くはありません。 お互いの意思が、気持ちがつながっているからです。

犬と暮らすこの楽しさを、喜びを、多くの飼い主さんに伝えたい。
人と犬の運命の出会いの前から、楽しい人生・犬生を経て、やがて虹の橋の向こうまで…
これは、蓮がもたらしてくれた「プロジェクト」でもあるのです。

蓮、いつもどうもありがとう。 3歳のお誕生日おめでとう。

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Tタッチでホームケア

私のパートナードッグの蓮は、体調が悪いと自分で知らせにやって来ます。

特に理由もないのに私の所に来て、すがるような目つきで私に顔を近付けてくるのがその合図です。
蓮自身が何らかの不調を感じて訴えてきているのでしょうから、それはそれで不憫なことです。

ところで、「Tタッチ」というものをご存知でしょうか。
これはリンダ・テリントン・ジョーンズ氏が馬のボディ・ワークからあみだしたもので、
「テリントン・タッチ」とも呼ばれています。
今日では馬だけでなく、犬、猫をはじめ、あらゆる動物に用いられています。
マッサージに近いものといえばイメージしやすいでしょうが、Tタッチが特徴的なのは
その時の動物の状態…たとえば恐怖、興奮、緊張、いらだちのような精神的なもの、
けが、腫れ、痛みなど身体的なものなど、その時々に応じたタッチ方法がある
ということです。
また、Tタッチを通じて飼い主と動物との相互関係を築けるともされています。

私はどんな療法やケアも過信したり妄信したりすることはないので、
Tタッチも参考や補助的なものの一つとして使用していますが、
先日、「おっ?」と思うことがありました。

それは蓮が、体の異常を感じて私に知らせに来たときのことです。

パートナーの具合が悪い時は、なるべく早く癒してあげたいと思うのが飼い主心です。

私にすがって来た蓮を前に、何かできることはないだろうかと考えたところ
このTタッチが浮かびました。
そこでいくつかあるTタッチのうちの一つを試してみたところ、 意識消失もなく、
軽く頭を振る程度の発作で済むことができたのです。

これはとても嬉しい体験でした。
もちろん一度の経験で全てを語ることはできませんが、その後、
蓮が腹痛と思われる体調不良を起こした際もTタッチを行ったところ、
いつもの体調不良よりも早く回復することができたのを感じました。

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蓮 「Tタッチしてもらったおかげか、お腹痛いの早く治ったよ。ありがと。

パートナーの具合が悪いとき、飼い主さんとしては何とかしてあげたいと思うものです。
また、何もできないということに多大な無力感や罪責感を感じることも多くあります。
パートナーがもう助からない状態になってしまった場合、これらの無力感や罪責感が
クリティカル期やペットロスの悲しみを一層深めてしまうことにもつながります。
「パートナーに対して何らかの働きかけを持つことができる」ということは
飼い主さんの心の在り方にも大きく作用するのです。

このTタッチですが、講習やワークショップも行われていますし書籍も販売されています。
「ホリスティックケア・カウンセラー養成講座」でもTタッチの概要が学べます。
愛するパートナーに何かできることをお探しの飼い主さんは、試してみてはいかがでしょうか。

蓮 「ほら…かばさん、宣伝!宣伝!」

おっと。

AtaraxiaのドッグトレーニングやサービスでもTタッチを取り入れていますよ!!

 

 

ドッグラン内でのリード

ドッグランには、大抵はその場所ごとに利用規約があります。
その中によく

「ドッグランに慣れていない犬の場合は、リードを付けたまま様子を見て下さい」

というようなものが書かれています。
この場合はリードを付けたまま遊ばせるというわけではなく、
犬が他の犬とどう接するか、ラン内でどのような態度でいるか「様子を見」て欲しいということです。
しかし、特に呼び戻しに自信のない飼い主さんなどが、リードを長く伸ばして遊ばせていることがあります。
ドッグラン内でリードを長く伸ばしていることは大変危険です。
長く伸びたリードで人や犬が足を引っ掛けて転んだり、ケガをしたりすることがあります。
リードを付けたままドッグラン内で犬を放している方もいますが、これも危険です。
リードの持ち手の輪の部分に他の犬が脚を絡めて、骨折等の大けがを引き起こすおそれがあります。

ところで、あるドッグラン内で伸縮リードを使っていた方がいて、
そのリードが別の飼い主さんの脚に絡みついてしまいました。
犬は突発的に走り出したりするものです。
この状況で伸縮リードを付けた犬が突発的に走り出してしまうとどうなるでしょうか。
リードで激しくこすれ、絡まれた脚は皮膚がめくれたり切れたりやけどのような状態になります。
人間の身体でも大変なケガになりますが、これが犬の身体だったらどうでしょう
手足を失ったり命にかかわるケガになったりすることも十分あり得るのです。
また、伸縮リードを付けた犬が走り出したのを止めようとして、
とっさに伸縮リードをつかんでしまい、このようなケガをするという話もよく聞きます。
ドッグラン内で犬の様子を見るときは、リードは短く持って、他の犬や飼い主さんに十分注意しましょう。

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伸びるリードで遊ぶときは、他の人やワンちゃんのいないところでね!