日本ペット栄養学会第17回大会に行ってきました

2015年7月18日、日本ペット栄養学会第17回大会に参加してきました。

日本ペット栄養学会第17回大会

 

場所は帝京科学大学。
会場である7号館に行く前に本館を訪れてみました。

蓮「道を間違えただけでは…」

そ、そんなことないよ!

帝京科学大学

 

帝京科学大学アニマルケアセンターです。
興味深い。

帝京科学大学アニマルケアセンター

 

守衛さんに7号館への行き方を尋ねると、大変分かりやすく教えてくれました。
蓮「ほらやっぱり道を間違えt…」
ものごとを説明するときに、分かりやすく順序よく説明するには
ぼんやりと分かっているだけではなく
自分の頭の中できちんと整理されていることがやっぱり大切だよね、と
ひとり納得しながら7号館へ向かいました。

日本ペット栄養学会第17回大会会場

日本ペット栄養学会第17回大会会場

7号館です。

日本ペット栄養学会第17回大会

いざ、会場入り。

 

演題はどれも興味をそそるものばかりです。
その中でも私が特に興味を持ち、かつ一般の飼い主さんにも直接的につながりそうだと思ったのは

  • イヌ・ネコにおける各種オメガ3脂肪酸含有量の異なるフードの給与試験
  • AAFCO養分基準を満たす維持期のイヌの手作り食レシピの設計法
  • ジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターにおける多動性と学習行動の関連性ならびに脳内代謝の差異
  • 犬の歯周病菌数と歯肉の炎症の経時的変化について
  • 生菌製剤投与が健常犬の消化管におよぼす影響に関する基礎的研究

そして特別講演の

アディポカインと疾病

シンポジウムの

膵炎の食事管理

でした。

いくつかかいつまんでご説明すると、たとえば犬の手作り食。

手作り食については飼い主の間でも獣医療に携わる人の間でも大変意見の分かれるところで、
ドッグフードを非常に危険視し、手作り食を強く推奨する人々から
手作り食に懸念を示し、ドッグフードを推奨する人々まで様々です。

私の考えとしては、アレルギーや代謝異常など何らかの疾患があり、
通常のドッグフードでは問題がある場合には、獣医師の指導の下での手作り食は「あり」だと思います。
健常な犬でも、たとえば災害時などでドッグフードの調達が不可能な場合に
なんでも食べられる習慣をつけておくことや、
日常の食事にも変化とはずみをつけて楽しみにするために、
時おり手作り食をはさむのは良いことだと思います。
しかし、手作り食のみで犬の必要栄養素とバランスを満たせるよう給餌するのは非常に難しく、
微量栄養素の不足やアンバランスをきたしやすいのが要注意であると思っています。

「AAFCO養分基準を満たす維持期のイヌの手作り食レシピの設計法」
では、なぜNRCではなくAAFCO基準を用いるのか、という疑問が投げかけられながらも
日本人の必要栄養素を1とした場合に、犬の必要栄養素がどれ位になるのかを提示しながら
手作り食でどの栄養素が不足するのか、それを補うのにはどうすればよいのかを模索した
今後の発展に期待したい発表でした。

ちなみに、「栄養をバランスよく作れる」とされているレシピ…市販本などでよくありますが、
そのレシピ通りで作っても充足されない栄養素などがあったそうです。
獣医師でも栄養士でもない一般の人が、
家庭の食卓の感覚で犬の食事を考える難しさと危険性を物語っていると思います。

「アディポカインと疾病」
では、
「一般的に肥満は病気を引き起こして良くないと言われているけど、
病気になる肥満の人と、病気にならない肥満の人がいるよね?」
から始まり、これらの「病気になる肥満」と「病気にならない肥満」の違いは何か、
脂肪細胞の種類に違いがあること、
種類が違えば働きも違い、体内で起きていることにも違いがあることなどを解説されました。

脂肪は悪者扱いされていますが、
脂肪細胞には三つの種類があり、アディポカイン(生理活性物質)を介して
様々な代謝を調節しています。
ゆえに、脂肪は無くなってしまっても良くないのです。
しかし肥満状態の脂肪組織では慢性的な炎症状態になっており、全身的な代謝異常をもたらします。
また、犬では肥満になっても糖尿病にならないという報告もあり、
人との違いなどが今後解明されて行くことが期待されます。

日本ペット栄養学会第17回大会

 

話は変わりますがこの会場、近くに昼食をとれるお店がまるでなく
食事を求めて1.5kmくらい歩いて歩いて、ようやくたどり着いたお店は満員で順番待ち。
仕方なく昼食は諦め、地元の観光気分で散歩をしながら会場に戻りました。
「栄養学会」なのに、人の栄養状態が危ぶまれます(;´Д`)

元宿堰稲荷神社

元宿堰稲荷神社

「元宿堰稲荷神社」や、

社

駐車場の脇で今も祀られている社など。

下町の歴史と風情を味わいました。

そして偶然にもこの日は足立区での花火大会。
時間の都合で花火大会を鑑賞して帰ることはできませんでしたが、
空には大きな二重の虹のアーチがかかって楽しませてくれました。

そういえば昨年、インターペットで講師をしたときも
帰りは虹がかかっていました。
頑張った後のごほうびのような、嬉しくてちょっと不思議な気分でした。

虹

 

 

 

獣医学総合誌MVMに川久保の「犬猫の歯みがき指導」掲載

2015年7月1日発売の獣医学総合誌「mvm」に、川久保が書いた
「飼い主さんに伝わる歯みがき指導」が掲載されています!

mvm156号の特集は
「犬猫の歯の健康のために」
なんと、156号と157号の2号にわたり、前編と後編での特集なのです。
まさに、犬猫の歯科やオーラルケアに関する意識とニーズが高まっている表れです。

執筆者は日本小動物歯科研究会の会長である藤田桂一先生(フジタ動物病院)、
大場茂夫先生、大風百合子先生(日本大学動物病院歯科)、
網本昭輝先生(アミカペットクリニック)、
江口徳洋先生(千村どうぶつ病院)、
幅田功先生(センターヴィル動物病院)

また、レポートとして、とだ動物病院の戸田功先生も
「飼い主に正しいデンタルケアを指導するコツ」
を書かれています。

いずれも動物歯科の第一人者という、そうそうたるメンバーです。
その中で、川久保純子(Ataraxia)が記事を書いています。

大変な栄誉です。いいんでしょうか~(;´∀`)

題は

「飼い主さんに伝わる歯みがき指導」

歯科医師としての歯科知識やTBIの経験に、
教職時代の経験、ドッグトレーナーとしての経験と知見、
さらにはカウンセラーとしての心理的な知見を交え
「歯みがき指導がどうして伝わらないか」
「そもそも、伝わっているとはどういう状態か」
「どうしたら『できる』ようになるのか」
を、インストラクショナルデザインの考え方をベースに解説しています。
犬猫の歯みがき指導をインストラクショナルデザインから解説しているのは、
おそらく本稿が初めてだと思います。

さらに!
なんと川久保の記事は、指導の方法とコツを解説した前編に加え、
「飼い主さんに伝わる歯みがき指導 実践編―歯みがき攻略の8ステップ―」
として、口に触れない動物が口を開けて歯の内側や咬み合わせ面を磨けるようになるまでも
懇切丁寧に写真付きで解説しています。

さらにさらに!!
MVM 156号に掲載されているパスワードを入力しますと
株式会社ファームプレスのMVM専用ページから
この「歯みがき攻略の8ステップ」の動画が視聴できるのです!!

この動画は、Ataraxiaの歯磨きレッスンを受講された方に差し上げている
Ataraxiaオリジナルの歯みがき解説DVDの動画の一部に加え、
MVM誌用に新たに撮り下ろしたものもあります。

MVMは獣医学の専門誌ですが
私の記事は「歯みがき指導」ということもあり、
獣医師の先生方をはじめ
歯みがき指導を現場で受け持つ可能性の高い動物看護師さんにもすんなりと読めるよう
できるだけ平易な文章で、なおかつMVMの格調高さを損なわないよう工夫したつもりです。

この記事は歯みがき指導をしたことがない、しているけれど手ごたえを感じられないという
獣医師の先生方、動物看護師の方々はもちろんのこと
一般の飼い主さんにも「犬猫の歯みがきの解説書」としても活用して頂ける内容と構成です。

Ataraxiaの歯みがきレッスンのエッセンスが惜しげもなく詰め込まれています。

蓮 「これを読めばAtaraxiaの歯みがきレッスンはいらないんじゃ…」

それはまた別の話です(^_^;)

専門誌ゆえ一般の書店やAmazon等ではお取り扱いがありませんが、
株式会社ファームプレスのサイトからオンラインでご購入できます。
http://www.pp-mvm.com/books/contents/60

ペットの歯みがきをお考えの飼い主様も、動物病院の先生方、スタッフの方々も
そのまま手引書として使える内容です。
(おっと、文章や写真、動画の流用はダメですよ^^;)

専門書なので少々お値段がはりますけれども、ぜひご一読のうえ
お手元に一冊置いて頂ければと思います。

川久保純子&蓮&MVM